派遣会社の営業とは

最近、事務所で仕事をするときは、iPadで、作業用のBGMを流しています。
今年は、どこかに出かけるにしても、訪問先の人たちのこれまでの様々な努力を無駄にしないだろうかと熟考し、できる限り、不要不急の外出は控えています。その反動でしょうか。心が落ち着く、海の潮騒、川のせせらぎなどを使っBGMを選択することが増えています。
再訪したい慶良間の青い海の底に思いを馳せて、ワクチンや治療薬の開発を待ち焦がれてもいます。
自由な行動を選択できないわけではないですが、どうしても選択肢が少ないと思ってしまう不自由さは、なんとも人の気持ちを荒ませるようです。皆さんも、心の柔軟性を保つように努めて下さいね。

派遣会社の社員の仕事 「営業」

「派遣会社の仕事って、そもそも何?」と知らない方がたくさんいます。
キャリアコンサルタントの資格取得の特訓講座を開講しており、「派遣会社の営業」に興味を持って、活躍できる場所として、派遣会社があることは知ってはいるものの、具体的な派遣ビジネスの内容を知らない方もたくさんいらっしゃいます。
今回は、求人募集が多い、派遣会社の仕事、「営業」について、書きました。

派遣会社の社員は、雇用契約によって、派遣社員だけでなく、正社員として働く人がいます。
その正社員のうち、派遣会社によって違いはありますが、他の企業と同じように、「営業」の仕事をする人もいます。
「ハケンの品格」というドラマで、大前春子さん(篠原涼子さん)たち派遣社員を尋ねてくる近耕作さん(上地雄輔さん)が営業担当者ですというと、ピンと来る人もいらっしゃることでしょう。

派遣会社の営業ってどんな仕事をするの?

派遣会社の営業は、「人材活用のご提案」や「派遣先担当者との意見交換」「派遣社員のフォロー」「コーディネーターとの情報共有」が主な仕事です。
既存の顧客であれば深耕を目的に、「現在、直接雇用の人たちに任せている仕事も、派遣社員に任せることができる」など、費用対効果性の証明やご提案を行います。
新規の開拓であれば、人材活用全体のご提案を行います。敏腕な営業マンになると、コンサルタントのように、業務改善を提案する力を持っています。
仕事の改善点が見つからないのは、仕事との距離が近づきすぎていて見えないことが往々にしてあります。派遣会社の営業は、俯瞰的に、客観的に業務の流れを見て、派遣社員をどんな業務に使えば効率よく利益向上につながる業務改善ができることを提案します。

既存の派遣先担当者との意見交換は、派遣した人材がニーズや期待に沿った働き方ができているか、貢献しているかどうかを伺い、時には、クレーム処理をします。
営業担当者にとって、派遣先の責任者の方は大切なお客様ですから、クレームの処理は迅速かつ的確に行わなければなりません。

派遣ビジネスならではの営業の仕事は、派遣社員のスタッフフォローです。他の企業で言えば、メンテナンス事業部のような仕事です。
付加価値の高い「人」を派遣するビジネスでは、このスタッフフォローができるか否かで、業績は大きく変わります。扱う商材が「人」ならではの業務です。
困ったことや、理不尽なことなど、業務に差し障ることであれば、派遣先責任者の方も交えて、話し合うなど、対処に努めます。派遣社員は、自分たち組織にとって重要な「メンバー」ですから、フォローにも力が入ることでしょう。
このフォローは、時に、人生相談のようになることもあります。
例えば、朝が苦手で、遅刻が多くて困る。スタッフチェンジしてほしいと、派遣先責任者の方からクレームが入れば、まず、スタッフと面談して、どうしたら遅刻をしないで仕事ができるようになるか、話し合います。
主題は、遅刻をしないことですが、スタッフの背景に立ち入ると仕事のモチベーションを見失ったりしていることが多く、キャリアコンサルティングや、アドバイスが必要になったりするのです。
何のために働いているのか、将来はどうなりたいの?など、相談は、どんどん広がったり深いところに下がったりすることが多いのです。
派遣社員は、自立した人ばかり……というわけにはいかない場合も多いですし、例え自立した人でも、いつも元気で、自分を見失わずに過ごせるものではないのです。

キャリアコンサルタントの資格の活かし方

キャリアコンサルタントの資格試験は、学科と実技があります。学科は、キャリア形成支援の必要性や、役割の理解、職業能力開発に関する理解や、労働法規、ライフステージ、発達課題に関する理解など、幅広く知識を勉強します。一方、多くの人が習得に苦戦するのが、相手を共感的に理解するための「傾聴」を通したカウンセリングの実技試験です。
人の話を、相手の立場に立って、共感的に理解するために聴くことは、訓練しないと難しいのです。
これからの派遣ビジネスは、キャリア形成支援を積極的に行うことが求められるだけに、適切なコンサルティングが望まれます。
ぜひ、派遣会社で働いている方、転職をしたい方は、キャリアコンサルタント資格を取得し、資格は、知識と能力を十分に携えていることを証明し、自信を高めていただくことをお勧めします。
人がイキイキと、笑顔で働く姿を応援する「プロ営業」目指して、ぜひ、挑戦してみてくださいね。

*企業によっては、スタッフフォローは、コーディネーターが担当する場合もあります。
 転職にあたっては、企業研究を行ってください。

プロフィール

竹内和美先生

竹内 和美

実践を想定したワークショップ形式での研修を実施。研修中に、その企業の課題を参加者に認識させ、解決、前進に意識を一丸とさせる投げかけで、想定以上の効果があると好評。製造業から小売業、サービス業まで、また経営者や中間管理層から新入社員まで、実績と事例が豊富。組織の根幹である人材育成に様々な角度からアプローチしています。