新卒と人材派遣会社

新卒派遣は可能でしょうか?

経済環境が悪化すると、必ず派遣会社からのお尋ねいただくのが、新卒派遣の可能性についてです。

そもそも、仕事をする人を派遣するというサービスの始まりは、必要とする企業に対して、職業の経験や知識がある人材を、働ける時間分派遣するということが始まりでした。ですから、経験も知識もない新卒者を派遣するということは、ムリがあるということです。

しかし、バブル崩壊後も、リーマンショックの時にも、新卒派遣は、流行りました。特にリーマンショックの後は、新卒派遣を受け入れて、マナーだけでなく、ビジネススキルを身につける訓練や学習をしてまでも、新卒派遣サービスを開拓した派遣会社もたくさん出現したのです。

派遣ビジネスは、法律の改正に常に柔軟に変化しなければならない業界の一つです。時代や社会環境と共に、派遣会社の役割や使命を変える努力をしてきた先達者たちがいるということでしょう。

就職活動

派遣会社は「社会貢献」だけを目指しているわけではありません

だからといって、派遣会社は、就職できない新卒を救うという、社会貢献だけを目指すボランティア団体ではありません。

やはり、生産性を上げて、効率よく利益を得ることがなければ、派遣会社で働く社員の皆さん、派遣スタッフとして働く皆さんの生活が成り立ちません。

すでに、新型コロナウイルス(COVID-19 )の影響から、新卒採用の見直しが始まっています。学校を終えて最初に就労する会社は、その後の人生に大きな影響を与えるだけに、できる限り希望する企業、目指す業種で仕事をさせてあげることが望ましいでしょう。

しかし、どんな企業も利益や採算を度外視して経営できる体力はありません。派遣会社は、新卒者を受け入れてどうするか?早い段階で、計画を立てる必要があるでしょう。

巷には、正社員雇用されて働いていた人材が、派遣会社に登録して、仕事を変える、働き方を変える人があふれるのが予想されます。

そんな中で、キャリアがまったくない新卒者が生き残るにはどうするか?

厳しい時代を生き残るためには、まずは、自分自身を見つめ、自分の人生は自分で引き受けるという覚悟をもってから、相談することが必要でしょう。

かつて、「就職できなかったら、派遣会社にでも登録する」と考えた人が多くいらっしゃいました。新卒の皆さんは、甘い考えを捨てて、自分の人生を誰と一緒に過ごすか、どんな仕事をしてキャリアアップすることができるか、考えてください。答えは、自分の中にあるものです。

プロフィール

竹内和美先生

竹内 和美

実践を想定したワークショップ形式での研修を実施。研修中に、その企業の課題を参加者に認識させ、解決、前進に意識を一丸とさせる投げかけで、想定以上の効果があると好評。製造業から小売業、サービス業まで、また経営者や中間管理層から新入社員まで、実績と事例が豊富。組織の根幹である人材育成に様々な角度からアプローチしています。