コーディネーターのキャリアビジョン

三方良しという考え方

今回のコロナ禍の中で、自分がどう生きて、どう働けばよいか、疑問を持ってしまった人も多いのではないでしょうか?

満員電車で身動き取れない中、「自分は、何をしてるんだろう」と思うこともあるでしょうが、満員の車両から解放された途端、そんな本質的な考えを忘れて、今日のタスクに思いを馳せる、週末の休みをだらだらと過ごしても、明日からの仕事に備えるためだから、これも必要な時間と、どこか、自分に言い訳をしてやり過ごしてきたかもしれません。

そもそも、何のためにその仕事を始めたんだろうか、何を目指していたんだろうと、原点に戻った人もいるかもしれません。

しかし、そんな自分の思いは誰に相談すると良いのでしょうか?

社内では、ロールモデルを見て、迷いや不安を払しょくすることができたかもしれません。しかし、在宅ワークが続く中では、ロールモデルは見えません。目から得る刺激の重要性に気づく機会であったのは良いことだと思いますが、これからは、仕事をする場所は、会社の中、決まったデスクであるとは限らないことになるでしょう。

そんな時、手本となるモデルがいないからどうしようと不安に陥ってしまったらどうなるでしょうか。

人材コーディネーター

自分流のキャリアビジョンを描きましょう

20代の人材が、目標にすることが見当たらない、何のために働くかわからないという理由の一つに、ロールモデルの不在を上げます。また、その会社の中にキャリア開発モデルがないことなどを要因とすることが多いようですが、いずれも集団の中での指標であって、今後、人が一人の人としての価値を示して、雇用主と契約するようになれば、自分流のキャリアを考えなければなりません。

派遣会社は、この「人材の価値」を、マッチングさせる精度を上げて存在を示すべきではないでしょうか。まさに、三方良し論です。

一般型の派遣にしろ、業務請負の派遣にしろ、また、紹介型の派遣にしろ、価値ある人材を、その価値を認めて必要とする企業に紹介して協働してもらうことによって、ビジネスの発展に寄与する。その結果として、派遣会社の利益も上がるという関係です。

派遣ビジネスについて学習する場を提供しているわたくしは、雇用者、派遣先企業、人材の関係性を、三角形で示して理解を促しますが、真に、この三角形が等しい長さで繋がり合うことが、遠回りではありますが、社会の発展につながるのではないかと考えます。

マッチングの精度をあげるということは、経験則だけでできることではありません。

また、一人でできることでもありません。

コーディネーター、営業、そして応募する人材の三者が協力し合うことができたときに完成する作業です。

応募する人は、自分がどうあるべきか、どうしたいのかを率直に伝え、コーディネーターは本人も気づいていない価値を見直すか、あるいは、客観的に新しい価値を見出す。営業は、応募者の価値を必要とする企業に、等身大に売り込むことで、まさしく三方良しとなるでしょう。

派遣会社は、いろんな関係性の中で、常に『三方良し』を見つけることに、楽しみと喜びがあるのではないでしょうか。

時代は、派遣会社にとって厳しい風を吹きつけますが、せめて、この時代を楽しむ工夫や知恵を絞る楽しみを見つけていただきたいと願います。